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この一日はおしむべきの重宝なり 静かに思うべし。 一生百歳のうちの一日は ひとたび失わん ふたたび得ることなからん いずれの善巧方便ありてか 過ぎにし一日をふたたび帰したる。 道を得ることは根の利鈍には依らず ただ精進と懈怠とに依るべし。 志の到らざるは無常を思わざるによるなり。 念々に死去す 畢竟しばらくも留まらず。 しばらくも存ぜる間 時光を虚しく過ごすことなかれ。 今夜死し 明日死ぬことと思い あさましきことに逢いたる思いを作して 切にはげまし 志をすすむれば さとりを得ずと云うことはなき也。 中中 世智弁聡なるよりも 鈍根なる様にて 切なる志しを発する人 速やかに悟りを得る也。 只今ばかり我が命は存する也。 死せざる先に悟りを得んと思ひて仏法を学せんに 一人も得ざるは有るべからず也。 時 人を待たず、光陰 惜しむべし。 古より有道の人、国城 男女 七宝 百物を惜しまず。 唯 光陰のみ、之を惜しむ。 道を学ぶには志を専らならしむること真箇なれ。 若し是れ真箇ならば、道、すなわち徹する也。 ただ 仏道祖道を自己の身心にあひちかづけ あひいとなむを よろこび のぞみ こころざすべし。 一時より一日におよび 乃至 一年より一生までの営みとすべし。 |